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  • Q:印材の大きさってどれくらいがいいの?
    一般的に、認印&銀行印は10.5mm~15mm。実印なら13.5mm~18mmくらいが主流です。 ですが厳密に決まっているわけではないので、お好みでいいと思います。 ただ、区別するためにも認印と実印の大きさは変えることをおすすめします。
  • Q:印材ってどれを選べばいいの?
    基本的には、どの印材を選んでも問題ありません。 ただし安いものは耐久性の問題があり、品質のいいものは高額になります。 ハンコは一生ものですので、よく吟味していただきたいと思います。 値段にこだわらなければ、見た目の印象で決めるのもありだと思います。
  • Q:印材って一本いくらくらい?
    一言で申し上げるなら、ピンキリです。安いものから高価なものまで、非常にたくさんの種類があります。 例えば、印材問屋さんの値段表によれば、一番安いのは10.5mmの黒檀。100円もしません。 一番メジャーかもしれない本柘よりも安いです。 逆に、高価な印材はというと……上限はないように思います。 象牙の最高品質のものであれば、それだけで数万円するものもあります。 中には、純金でできた印材も存在します。まずお目にかかることはありません。 そこまでいくと、もう値段がつけられないほどの高級品でしょう。彫る方のプレッシャーも相当なものです。 印材には本当にたくさんの種類があり、今後も増え続けるでしょう。 ゆえに値段も様々。 ぜひご自分に合った印材をお選びいただきたいと思います。
  • Q:革袋の対応サイズは?
    小・中・大・特大の4種類があり、それぞれ以下のサイズに対応しております。 ■ 小 (10.5mm丸印、12mm丸印用) ■ 中 (13.5㎜丸、15㎜丸、16.5㎜丸用) ■ 大 (15㎜角&天丸サヤ、16.5㎜天丸サヤ、18㎜丸&天丸サヤ&角、21㎜天丸サヤ用) ■ 特大 (21㎜角、24㎜角用)
  • Q:捺印マットって必要?
    きれいな印影を残すには、捺印時の環境がとても大事です。 印面が平らであることはもちろん、捺す紙の下にほどよい弾力があることが必要です。 硬い机の上で捺すと大変捺しづらいですし、ハンコにもダメージになる場合があります。 もし捺印マットがない場合、紙を数枚重ねた上で捺すと多少は捺しやすくなるはずです。
  • Q:朱肉による違いって?
    ハンコにおいて最適とされているのは、印泥と呼ばれる中国製の伝統的な朱肉です。 印影の鮮明さ、色の深み、変色やにじみが少ないなどが特徴で、落款印など石のハンコを捺す際にもよく使われます。 ただし手入れを怠るとまともに使用できないため、上級者向けです。当店でも販売はしておりません。 当店で販売しております鯱旗印肉、文化朱肉と、身近なものですと100円ショップで売っているものもあります。 これらの違いは、印影の鮮明さと長持ちするかの差です。 安い朱肉ではきれいに捺せず、時間が経つとかすれてきてしまいます。 ここぞというときには、ちゃんとした朱肉を使うことをお勧めします。
  • Q:ホリ印とは?
    ホリ印とは、当店オリジナルの高品質イラストハンコを指します。 機械彫りではできない線の繊細さ、手彫りならではの温もり。手入れを怠らなければ一生使えます。 参考↓ イラストハンコで彫刻できる図案について
  • Q:既存の作品でイラストハンコは彫れるの?
    個人の趣味としていろいろと版権もののイラストハンコを彫ってきてはいますが、あくまでそれは趣味の範囲です。 販売となりますと、注文をお受けすることはできません。 版権元から許可が得られれば、その作品のグッズとして販売することは可能です。 ですが手彫りのイラストハンコという性質上、まず許可が得られないというのが現状です。 参考↓ イラストハンコで彫刻できる図案について
  • Q:仕上げのとき、墨を塗り直すのはなぜ?
    まず、荒彫りを終えた段階では、所々墨が剥げてしまっていることがあるので、それを直すのが一つ。 もう一つは、この段階ではまだ線が滑らかではないため、墨を塗ることでそのギザギザを浮立たせる効果があります。 そうすることで、印面と彫り下げた部分とをはっきり区別できる。 以上の理由から、仕上げをやりやすくするための必要な工程なわけです。 当然、ギザギザであるということは、彫るべき線が見定めにくいわけで。 文字の形が頭にしっかり入っていれば問題ないのですが、イラストハンコの場合はそうもいきません。 ですので、仕上げ作業の時は元の図案(左右反転したもの)を見ながら彫っています。
  • Q:完成までどれくらいかかるの?
    数時間で終わるものもあれば、一週間かかるものもあるので一概には言えません。 彫る時間よりも印稿を作る時間が長くなることも多いです。 安い機械彫りなら、フォントを並べて機械が彫れば数十分でできますが、当店ではやりません。
  • Q:本当に手彫り?
    過去に公開している動画も全て手彫りで彫っています。 手仕上げの場合は荒彫りで彫刻機をつかいますが、最終的には必ず人の手が入ります。 注文時、彫刻途中の写真をお渡しするサービスがございます。 よろしければご利用ください。
  • Q:手彫りってなんで高いの?
    簡単に言えば、手数料とかかる時間、そして技術料の違いです。 図案を入力すればいくらでも量産できる機械彫りと違い、手彫りは一点もの。 一つのハンコにかける時間も手間も膨大になりますので、機械彫りの値段ではとても割に合いません。 手間も時間もかけていますので、世界でただ一つの、お客様のためだけに作られた最高品質のハンコができるわけです。
  • Q:肉眼で彫ってるの?
    はい。裸眼で彫っています。そしてかなりの近眼です。 日常生活はメガネが手放せません。 他の職人さんですと、拡大鏡を使われている方も多いです。自分もいずれお世話になるかもしれません。
  • Q:普通の彫刻刀とは違うの?
    鋼が使われていて、使いやすければ特に規定はないようです。 ただ、管理はすべて自分でやらなければなりません。 よく市販されている彫刻刀は、欠ければそれで終わりですが、印刀は折れたり切れ味が落ちると自分で砥がなければなりません。 その印刀を砥ぐ技術は大変難しく、それこそ一生かけて習得するものです。 ハンコ職人にとって、印刀の切れ味を維持できなければ仕事になりません。
  • Q:一級印章彫刻技能士って?
    学科試験と実技試験をクリアすることにより、厚生労働大臣名の合格証書と技能士章が交付され、「技能士」を称することができる。 つまり国家資格です。 これがなければハンコ屋ができないというわけではないのですが、いわば看板みたいなものです。 国に認められた技術を持ってます、というような感じです。 逆に言えば、この資格がない、つまり技術がない経営者がやっているハンコ屋が多く存在します。 一生もののハンコですから、そんなお店は避けた方がいいです。
  • 印鑑
    ハンコ自体を印鑑と呼ぶこともありますが、本来は自治体や金融機関に登録してあるものを「印鑑」と呼びます。 その印鑑をどこに登録したかによって、たとえば市区町村役場なら実印、金融機関であれば銀行印となるわけです。 なのでどこにも登録していない認印は、印鑑とは呼びません。
  • 印鑑登録
    ハンコを市区町村役場に登録することを言います。印鑑登録をすることでそのハンコは「実印」となります。 実印を登録をすると、印鑑証明書の発行ができるようになります。 印鑑登録できる実印の特徴としては、 ・印影(ハンコを捺した跡)の大きさが8mm以上、25mm以下の正方形に収まる大きさ。角印、楕円でも可能。 ・名字のみ、名前のみ、姓名両方のいずれかを戸籍のとおり彫刻したもの。  模様が入っていたり、あだ名や通称、ペンネームは不可。  役所によっては、姓または名のみが駄目だったり、機械で彫刻されたものが登録できなかったりしますので、事前の確認が必要です。 ・ゴム印など、変形、変質しやすい材質のハンコではないこと。 ・印影が不鮮明だったり、文字の判別ができないものは登録できない。 日本在中で15歳以上であれば、原則として登録できます。 登録するには、住民票のある市区町村役場へ、免許証またはパスポート、住民基本台帳カードなどを本人が持っていけばすぐできます。 費用は200円~500円かかります。 申請が済めば、「印鑑登録証カード」が交付されます。 このカードがあれば、実印がなくても、または代理人でも印鑑証明書を発行することができます。 外国人の場合は、外国人登録法による登録をしていれば日本で印鑑を登録することができます。方法は日本人の場合と同じです。 しかし日本の名前と違い、文字数が非常に多い場合があります。その場合、登録する役所によってどのような実印が必要かさまざまです。 アルファベットの実印が必要なのか、ファーストネーム、ミドルネームを省略してファミリーネームのみで登録をするのか、カタカナなど通称名での登録となるのか。 実印の登録をする前に、事前に市町村役場にお尋ねすることをお勧めします。
  • 印鑑証明
    その実印が、「本人が登録した印鑑」であるという証明すること。 印鑑証明書を発行することで、正当性が証明され、会社登記などの非常に重要なときなどに必要となります。 印鑑証明書が必要なときは、印鑑登録の際に交付された「印鑑登録証」というカードを市区町村役場に持っていけば印鑑証明書を交付してくれます。 実印を持参する必要はなく、一通につき300円ほどかかります。 この証明書に有効期限はありませんが、提出先からは「30日以内のもの」と言われることがほとんどです。 前もって準備しておくことなく、常に最新のものを用意しましょう。 また、印鑑登録証カードを持参すれば、代理人であっても委任状なしに印鑑証明書を発行してもらえます。 ただし登録者の住所、氏名、生年月日、世帯主氏名が必要になります。 悪用を防ぐために、このカードはこれらの情報がわかるもの(保険証や免許証)とは別に保管するようにしましょう。
  • 印章
    よく印鑑と混同されがちですが、印章はハンコ本体のことです。一般的にはハンコ、はんこ、判子の方がなじみがあるかもしれません。 つまり、印章とハンコは同じ意味です。 ハンコとはんこはカタカナかひらがなかの違いだけで、同じものだと考えていいと思います。
  • 印影
    紙面などに印章を捺し、残ったものを印影といいます。この印影を登録することで印鑑となります。 なので、ハンコ屋さんで売っているものは印鑑とは言いません。印章、ハンコを売っているのです。 ちなみに、ハンコを捺すことを「押印」「捺印」「押捺」ともいいます。
  • 実印(個人向け)
    役所に登録した印章を実印といい、1人1個しか持てない大事なハンコです。 財産、権利の保全や確保、不動産取引、公文書の契約など、重要な用途において使用されます。 実印は姓名で彫刻しなければならないわけではありませんが、姓と名前の両方を彫ったほうが安全です。 日本在住で15歳以上の人は原則として登録できます。(印鑑登録) ほとんどの場合、三文判(既製品)は実印として登録できないはずです。 銀行印よりも認印よりも重要なハンコであり、より厳重に管理することが必要です。 貸し借りはもちろん、家族であってもむやみに他人には見せないほうがいいです。 そんな大事なハンコであるわけですから、オリジナルであることが大切です。容易に偽造が既製品であれば、悪意ある他人に利用されてしまう可能性が高くなります。 実印を捺す際には、責任は自分にあるとの覚悟をもっていただければと思います。 身近な実印の例として、紙幣の表に押されている印鑑がそうです。篆書体で「総裁之印」と彫られています。裏には「発券局長」とあります。 「総」と「発」は旧漢字で彫られているので、あまりなじみのない漢字です。 彫ったのは江戸後期の篆刻家、益田香遠です。 ちなみにこの総裁とは日本銀行の総裁のことで、発券局長とは日本銀行発券局の局長を指します。
  • 実印(法人向け)
    個人としての実印と違い、法人・団体としての実印とは、市区町村役場ではなく法務局に登録した印章のことです。 法人の設立登記を申請する際に必要となる、一番大切な「実印」です。 会社印、代表者印、会社実印などとも呼びます。 円形の印鑑を外周と内周に分け、外周(回文)には正式な会社名、内周(中文)には代表者印、取締役印などの肩書きが入ります。 登記上、会社実印の大きさは「一辺の長さが1㎝の正方形の中に収まらず、3㎝の正方形の中に収まる大きさでなければならい」とされています。 会社にとって最も大事な印鑑ですから、銀行印、認印より大きめのサイズ、21㎜程度が一般的と言えます。 枠を二重にすることがありますが、個人の実印と区別するためとも言われています。あとは職人の裁量によるところが大きいです。 個人として登録している実印を、法人・団体の実印と併用するのはおすすめしません。 代表や理事が変わるたびに実印も変更しなければなりません。 ハンコが紛失、盗難にあった場合は両方を停止、改印しなければならないなど、リスクが倍増してしまいます。 もし代表者印を紛失してしまった、または盗難にあった場合は、すぐに本店所在地を管轄する法務局に改印届を提出し、その実印の効力を停止させます。 新しく実印を用意する時間がない場合には、ひとまず銀行印または認印で改印届を出しておくといいでしょう。 それ以外のハンコを紛失してしまった場合にも、不正に使用される前にただちに関係先に連絡することが大切です。警察署へ紛失、盗難届を出すことも考えられます。 何か起きてからでは遅いです。日ごろから厳重に管理しておく必要があります。
  • 銀行印(個人向け)
    その名の通り、銀行へ預けたお金を守るための印鑑です。通常は姓のみを彫刻します。 オリジナルであることが絶対条件なのは実印も同じですが、銀行印は実印のような厳しい規則がないので、ある程度自由にデザインできます。 もちろん、名前が入っていなければそもそも意味がありませんが、マークやイラストが入っているものでもOKです。 ただし、銀行によっては登録ができない場合もありますので、ご確認ください。 ここで大事なのは、「引き出すため」ではなく、「守るため」のハンコだということ。 よく、文房具屋などで売ってる安いハンコで済ませてしまう方がいます。 もしハンコを無くしても、同じハンコがすぐ手に入るからと。 果たしてそれでいいのでしょうか? 例えばもし、自宅の鍵を取り替えるとしたら、どうしますか? いつでも買える、安価な鍵で済ませますか? それは言い換えれば、自宅の鍵がどこにでも売ってるようなものです。それでは、悪用してくださいと言っているようなもの。 大事な財産を守るためには、替えのきかない唯一の鍵でなければならないはずです。 それはハンコも同じこと。 銀行印とは、預けたお金を「守るため」のハンコなのです。 だからこそ、オーダーメイドでお作りすることを強くお勧めします。 一本のハンコで複数の口座を管理するのも避けたほうがいいです。 もしその一本を紛失してしまったり盗難されてしまった場合、すべての口座で改印手続きをしなければなりません。 ですが現在は通帳に届出印の印影が貼られなくなったため、どの通帳にどの印鑑を登録していたのか分からなくなることがあります。 通帳と一緒に保管するのは危険ですし、金融機関のカラーと同じ袋に入れて別に保管するなどの工夫が必要です。
  • 銀行印(法人向け)
    基本的には個人向けの銀行印と同じで、銀行に口座を開設するなどに必要な印鑑です。 預金の払い出し、手形や小切手を発行する際にも使われます。 法人向け銀行印も代表者印と同じく、円形の外周(回文)に会社名を、内周(中文)に肩書きを彫るのが一般的。 個人向けのハンコのように、会社名だけを彫る場合もあります。 書体で差をつけたり、代表者印より小さ目の印材で作ることで区別します。肩書きの代わりに「銀行之印」にすることも。 一般的には経理部長が管理する場合に特別に作成しますが、代表者が直接管理する場合は代表者印を銀行印として併用する場合があります。 銀行印を紛失してしまった場合は、すぐ取引銀行に連絡し、改印届を出します。 それ以外のハンコを紛失してしまった場合にも、不正に使用される前にただちに関係先に連絡することが大切です。警察署へ紛失、盗難届を出すことも考えられます。 何か起きてからでは遅いです。日ごろから厳重に管理しておく必要があります。
  • 認印(個人向け)
    認印とは、郵便物の受け取りなどに使用する、一番使用頻度の高い日常的なハンコ。銀行印と同じく、姓のみを彫るのが一般的です。 インクを内蔵した朱肉のいらないスタンプ印も広い意味では認印かもしれませんが、本来は朱肉をつけて捺印するものを言います。 銀行印より手軽に捺せるために、それこそ三文判で済ませていいとお思いかもしれません。 荷物の受領のみで使うならそれでもいいかもしれませんが、大事な書類などに捺す場合は注意が必要です。 オリジナルのものでなければ、「自分が捺した」と証明できないからです。 もし三文判であれば、例えば役所に提出する大事な書類を、他人が勝手にあなたの名前で出すことも可能です。 知らない間に、知らない人と婚姻関係になっていた、なんてことも……。 そうならないために、認印であっても、オリジナルであることがトラブルを避ける有効な手段です。 このハンコを捺したのは自分だけ、そう主張できることが大事なのです。
  • 認印(法人向け)
    個人向けと同じく、特別に登録・届出をする必要はありませんが、会社の意思を示すために使われます。 代表者印、銀行印と同様、外周(回文)に会社名、内周(中文)に肩書きを彫るのが一般的。 個人向けのハンコのように、会社名だけを彫る場合もあります。 銀行印よりさらに書体の格式を下げ、大きさも若干小さくします。 こちらも銀行印を認印として併用することがあり、法人向け実印一つで済ませる場合もあります。 ですが大きな会社・団体であればなおさら、別々に作って管理しておいたほうがいいと思います。
  • 役職印
    「代表取締役印」「支店長印」「理事長印」などの役職名が入ったハンコのことを言います。 社内文書など幅広い場面に使えます。 役職印を法務局に登録すれば、法人向けの実印となります。
  • 角印
    個人ではなく、法人または団体が使います。請求書や領収書、契約書などに捺され、いわば法人向けの認印のようなものです。 請求書、領収書、納品書など会社印の中では最も使用頻度が高く、認印よりも簡略なケースで使用されるのが一般的です。 角印は、正式な会社名を彫った四角いハンコです。実印より大きめのサイズが一般的で、書体は比較的読みやすいもので、縦書きに彫ります。 たとえば契約書締結の際、会社名の上から角印を捺し、代表者名の横に代表者印または認印をセットで捺すケースがあります。 その場合の角印に特別な意味はなく、いわば「見た目重視」です。ハンコが二つ捺されていることによる証明力という意味では有効かもしれませんが。 よく会社の角印などが、住所や社名の文字に重なるように捺されている場合がありますが、角印は実印と違い照合の必要がないためです。 逆に言えば実印は印鑑証明書の印影と照合する必要があり、文字と重なる捺し方は好ましくありません。 記名や署名のすぐとなりに捺し、かつ離れすぎないよう捺すのがコツです。
  • 浸透印
    中からインクが染みだしてくるタイプのハンコを言います。シャチハタの浸透印が有名。 朱肉がいらず便利な反面、インクは時間が経つと色あせてしまったり、捺す力の具合によっても印影が変形することもあります。 なので正式な書類では使えない場合が多いです。
  • ゴム印
    平面の板ゴムから作られたハンコです。力や熱、年月により変形しやすく、公文書などでは使えません。 その用途によってさまざまな種類があり、「日付(データ)印」「領収印」「受領印」「住所印(風雅印)」「簿記印」などがあります。 贈答用では「御祝」「御中元」「粗品」など、郵便用では「進展」「速達」「請求書在中」など、文書用では「重要」「極秘」などもあります。 最近は小型のレーザー加工機も多く開発され、レーザー彫刻で作られたゴム印がほとんどかと思われます。 パソコンに図案を入力すればそのまま彫ってくれるので、以前のように原版を作る必要がなく、環境にも優しい製造方法といえます。 技術のあるハンコ屋さんであれば、手彫りもできます。
  • スタンプ
    ゴム印と同じくこちらも材質はゴムですが、特に大きなハンコのことを指します。 観光地などの記念用、鉄道駅のスタンプ、スタンプラリーなどで使われます。 紙などを差し込むことで電動で捺すものもあります。
  • 三文判
    「二束三文」からきた名称で、店頭で売られる既製品など、安いハンコのことを言います。当店では扱っておりません。 多くが機械で大量生産された同型印なので、安易に偽造される恐れがあり、実印や銀行印に使うのは大変危険です。 さらに言えば、捺された印影は当人をあらわします。 枠が欠けているもの、上下が逆さまなもの、印影が不鮮明だったりすると、その人のイメージをもそこに残すことになります。 高ければそれでいいとは思いませんが、あなた自身に「ふさわしい」ものをお選びいただきたいと思います。
  • 落款印
    姓名印、雅号印などの総称で、書道や絵画の作品に作者が捺すハンコのこと。 一人の作者がいくつも捺す場合が多く、それが真贋鑑定の材料ともなります。 最近は趣味で落款を彫る方もいて、印材は円林(ぱりん)石・寿山(じゅざん)石・青田(せいでん)石などの天然石が主流です。 大きさに規定はありませんが、捺す作品の大きさによって使い分けます。 落款の語源は「落成款識(らくせいかんし)」といい、作品が落成(完成)したときに捺します。 あまり硬く考える必要はなく、はがきや便せんなどにおしゃれを楽しむように捺す感覚でいいと思います。
  • 蔵書印
    書物の所蔵を明らかにするために、蔵書に捺された印影のこと。 落款印を捺す場合もあれば、「○○蔵書」と彫られた蔵書専用のものを使用する場合もあります。
  • 訂正印
    簿記印ともいい、帳簿や伝票などで訂正箇所に捺すハンコのことです。 訂正箇所に二本線を引き、訂正者の名前が入った訂正印を捺します。縦書きならその右横に、横書きならすぐ上に正しい文字を書きます。 主に真円や小判型の、6mmなど小さいもの(豆印)が使われることが多いです。 ですがこれは社内の少額な経費処理にとどめたほうがいいです。 契約書など重要書面の訂正印には、必ず契約書に捺した印鑑を使用する必要があります。
  • 捨印(すていん)
    文書の内容に訂正箇所が出た時のために、前もって訂正印になる印鑑を欄外に捺しておくものを捨印といいます。 訂正が必要になったときにわざわざ相手のハンコをもらいに行く必要がないため便利ではありますが、これは逆に言えば「あとでどんな訂正が行われてもかまいません」と言っているのと同じです。 銀行での手続きをする際の郵送ハガキの書面に見かけることがありますが、普段なにげなく捺しているという方は捨印の意味をよく理解しておいたほうが良いでしょう。 さすがに銀行で悪用される心配はないと思いますが……。 もし訂正箇所が原因で問題になった場合、捨印を捺してあったがために非常に不利な立場になりかねません。 不安であれば捨印を使わず、訂正箇所があれば面倒でも相手に連絡をもらうようにしたほうがいいでしょう。
  • 消印(けしいん)
    よく、はがきや封筒に貼る切手に郵便局の印鑑が押されていますが、あれが消印です。切手からはみだして捺すことで、切手の再利用を防いでいるのです。 ほかには、印紙税法が定める所定の印紙を貼り、契約書と印紙の模様にかけて消印を押すことも多いです。 購入した収入印紙を書面に貼り、消印することで納税したことになります。 この印紙は、税金の納入方法のひとつとして貼るもので、契約の内容とは無関係です。 たとえば領収書に印紙が貼っていなくても、領収書そのものは有効です。ですが、金額によっては貼らないことで脱税となることがありますので注意が必要です。
  • 契印(ちぎりいん)
    契約書が複数枚になる場合、それらが一つの契約書であるという証明のために捺される印影です。 この契印がないと、後でいくらでも追加や差し替えが可能となるので危険です。 捺される印鑑は契約書に捺したものと同じでなければならず、かつ契約当事者全員分の契印が必要です。
  • 割印(わりいん)
    たとえば同じ契約書を二通作ったときに、同時に作成された同じ契約書であるという証明のために割印を捺します。 作成する書類が複数枚になった場合、それらの書類に共通性をもたせるために、書面同士にまたがって捺すハンコのことを割印といいます。 このとき使用する印鑑は、契約書に捺されているものと必ず同じである必要はありません。
  • 止印(とめいん)
    契約書などの文章に余白があるとき、文末に捺す印影のことを止印といいます。後日、文章が不正に書き足しされないために捺します。 止印の代わりに「以下余白」とする場合も同じ意味を持ちます。 使用するハンコは、署名捺印に使用したものと同じハンコを使います。
  • 拇印(ぼいん)
    印章が見当たらなかったなどに、印章の代わりに指の先に朱肉をつけて捺す印のこと。指印とも言います。 拇指(親指)か人差し指で捺します。 最近では署名で済ませることが多いため、拇印はあまり用いられません。
  • サグリ・アタリ
    指付(ゆびつき)、座繰り(ざぐり)とも呼ばれ、印の上下を確認するために印章の側面に付けられた窪みのことをいいます。 ほかに突起物を埋め込んだり、シールを貼ったものをサグリと呼んだりもします。 中にはサグリがない印章もありますが、これは捺印する際に、印面を見て上下を確認する手間を設けることで、「本当にこのハンコを捺していいのか」と考える時間を生むためだという説もあります。
  • 朱肉
    印肉(いんにく)ともいい、捺印の際に使われる顔料をしみこませたもののことです。 大きく分けて「印泥」「練り朱肉」「スタンプ朱肉」があります。
  • 印泥(いんでい)
    古来中国より使われる伝統的な朱肉で、中国で採れる珠砂(硫化水銀系)に乾燥させたヨモギを合わせ、顔料で色付けし、油で粘度を整えたものです。 印影の鮮明さ、色の深み、変色やにじみが少ないなどが特徴で、落款印など石のハンコを捺す際にもよく使われます。 ただ若干乾きにくいのと、まめに手入れする手間が必要なため、上級者向けとも言えます。 長く放置すると朱と油分が分離してしまい、夏の暑さなどでもべとついてしまいます。その場合は、冷蔵庫で冷やしてから使うか、油とり紙などで油分を取り除く必要があります。
  • 練り朱肉
    印泥と同じ意味で使われることがありますが、若干違います。 まず印泥が中国製なのに対し、練り朱肉は日本製です。 銀朱と呼ばれる硫化水銀を昇華させたものに顔料・植物や和紙の繊維を加え、ひまし油や松脂などで練り固めたものが練り朱肉です。材料も微妙に違います。 印泥よりもすこし固めで、こちらも時間が経つと顔料と油分が分離してしまいます。
  • スタンプ朱肉
    銀行や文具店、ホームセンターなどでよく見かけるのがこの簡易朱肉タイプです。 植物性の油脂や合成樹脂、化学物質に顔料で色を付けてインク状にしたものをスポンジに染み込ませた物です。 特に手間もいらず、速乾性に優れているのが特徴です。 ですがスタンプ朱肉のインクは、色あせたり時間の経過により印影が薄くなってしまうことがあります。さらに水にも弱いです。 なのでその場しのぎな面が強く、長期保存には向きません。 ちなみに、ゴム印用に使われるスタンプ台は、朱肉とは別物です。 スタンプ台のインクは印材を変質させてしまう可能性がありますので、ハンコを使う際にはスタンプ台を使わないようにしましょう。 スタンプ台はゴム印専用と思っていいと思います。
  • 印矩(いんく)
    ハンコを捺すための定規のことです。L字型とT字型のものがあります。 これがあれば角印をまっすぐ捺すことができ、さらに印影が薄ければそのまま捺しなおすことができます。 ただし、丸印の場合は捺しなおすことはせず、ボールペンで二重線を引いて抹消し、その横に捺すようにしましょう。 丸印をまったく同じように捺すことはかなり難しく、ひどい印影になることでその効力だけでなく捺した人のイメージをも失いかねません。
  • 印褥(いんじょく)
    ハンコを捺す時に使う、下に敷く台のことです。板を紙で覆い、上に布を張ったものや、ゴム製、革製、樹脂製のものなどがあります。 当店で使っている印褥は、表面に竹の皮を張っています。 褥は「しとね」と読み、敷物のことをいいます。 捺印マットを使った捺し方のほうが圧倒的にメジャーではありますが、ハンコ屋さんではよく使われます。 紙に捺した後、そのまま紙ごと印褥の上でこすることで、鮮明な印影が取れます。 「捺す」というより「刷る」といった感じが近いかもしれません。
  • 印面(いんめん)
    印章の、彫刻が施された面を印面と言います。ここが一番重要なのは言うまでもありません。 ここを紙面などに捺すことにより、印影が残ります。 この部分をいかに美しく仕上げるか、職人の腕が試されます。 手彫りであれば、印面調整という工程でこの印面の表面をきれいに仕上げますが、安価な機械彫りではその工程をしておりません。 なので印面にわずかな傷や凸凹が残ったまま納品されることになり、当然ながらそんな状態では綺麗に捺せません。 爪の背などで印面を軽くなでたとき、ざらざらしているようならそれは機械彫りだと判断していいと思います。 手彫りであれば、ツルツルしているはずです。 少なくとも、当店ではそうした状態で納品しております。
  • 印面調整
    彫刻作業の工程の一つ。完全手彫りで彫る場合、印面を平らにして朱を塗り、印稿を書き入れる準備をすること。 字入れ、つまり逆文字で印面に手書きするのも難しいですが、この印面調整がうまくいっていないと、そもそも書けません。 ついおろそかにしがちですが、最初の工程からすでに全体の完成度に関わっていると言えます。 ちなみに機械彫りをしただけの安物の場合、もちろん印面調整などやっておりません。 印面がざらざらのままで、かすれた印影にしかなりません。
  • 印稿
    ハンコを彫る前に作る、いわば完成予想図のこと。手彫りで機械彫りでも、この印稿をもとに彫刻されます。 いくら上手に彫れたとしても、この印稿の出来が悪ければ、そのハンコに価値はありません。 なので、どれだけ時間をかけて印稿の完成度を上げるか、そこが職人の腕の見せ所です。 実力者は、彫る時間よりも印稿を作る時間の方が長いです。
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