まず、手彫りハンコと機械彫りハンコの違いについてご説明いたします。
主に以下の違いが上げられます。
【手彫りハンコの特徴】
・捺しやすい綺麗な印面
(印面調整により滑らかになる)
・機械彫りに比べて耐久性がある
(手で彫る際に、断面で言うと台形の形になる。機械はまっすぐ)
・手彫りならではの温もりを感じられる
・同じものは二度と彫れないので、偽造は不可能
・時間をかけて丁寧に彫りあげる
【機械彫りハンコの特徴】
・彫るのが早い、安い
・パソコンから打ち出した字なので、味気ない、どれも似通ったものになる
・データさえあればいくらでも複製できるので、偽造されやすくなる
・線の交わる部分を彫るのが苦手。角を彫ることができない
・枠の太さが一定にならない場合がある
(印材は一見同じに見えても、微妙に真円ではない。機械で同じように彫っても、中心がずれることがある)
実際に印影で見比べてみますと、
同じ印稿を使って彫ったとしても、これだけ差が出ます。
機械で彫るだけで、これだけ字が太ってしまう。
どちらが印稿に近いかは一目瞭然ですね。
大した違いには見えないかもしれませんが、これが実印や法人印など、たくさん文字が集まった状態ではどうでしょう?
だいぶぼたついた、重いハンコになるはずです。
せっかく作った印稿が台無しになってしまうのです。
こちらはイラストハンコの場合。
こちらの方が分かりやすいかもしれません。
細かい部分はだいぶつぶれてしまっています。
さらに機械彫りでは、細く微妙な曲線を彫ることが難しく、線がでこぼこになってしまいます。
入力したデータに忠実であるがゆえに、融通が効きません。
手彫りであればそこを考慮して、生きた線として彫りあげることが可能です。
手彫りは、図案をそのままそっくり彫るのではなく、途中で生じる不具合を修正しながら彫ることができるのです。
ほんのわずかな差ではありますが、その差にこだわることこそ、手で彫る理由。
そうすることで、押印する方の覚悟、想いに応えられると思います。
出来の悪いハンコを捺すことは、自らの価値を下げているのと同じことなのです。
参考↓
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