↑こちらのページでもご紹介しておりますが、ハンコを彫る方法はいろいろあります。
ここでは、それらを3つにまとめて解説します。
■ 機械彫り
フォントを使いソフトが字を配し、彫刻機が彫る。
そこに手仕事はありません。
最も安く早くハンコができ、職人も必要ないためだれにでもできます。
残念ながら、世に流通するハンコの9割がこの機械彫りで作られたものです。
大量生産された同型印に、信証の具としての価値はありません。
出来栄えも決していいものではなく、機械で彫ったものはどうしても線が太くなってしまいます。
書体によってはそれでもいい場合がありますが、基本的に細かい部分はつぶれます。
線の交わる部分や込み入った部分には針で彫りきれないため、シャープな線や微妙な曲線が出せません。
■ 手仕上げ
彫刻の一部、荒彫りを彫刻機に任せ、残りを手で仕上げるやり方。
当店では、全て手書き文字で彫ります。
フォントは一切使用しません。
完全手彫りよりは早く安く仕上がるものの、彫り跡はいかにも機械で彫ったという感じ。
文字の壁もすべて一定なので、細い線はどうしてももろくなります。
機械彫りで出来上がった荒い線を手で仕上げることで、初めて命のこもった線が生まれます。
機械の彫り残しである「バリ」を取り除くことが手仕上げだという店もありますが、とんでもない話です。
それらの多くが安売り店で、手彫りの技術を持つ人間がいない場合がほとんど。
そんなものは機械彫りと大差ありません。
■ 完全手彫り
彫刻工程すべてを手でやる方法。
手仕事なので全く同じものは二度とできず、偽造防止効果は一番高いです。
長年の努力と経験を積み重ねた職人のみができる彫り方で、それができる職人は全国でも多くありません。
手仕上げと同様、最後は人の手で仕上げるので印影自体にそれほど違いはありません。
ただし手仕上げよりも手作り感があり、特に枠は土台を太くして彫るので耐久性があります。
一生使うものであればこそ、長く使える完全手彫りをお勧めします。
〇 ご注文の前に
人間の手で彫るわけですから、当然ながら職人によって出来上がりに違いが生まれます。
良し悪しというより好みに近いものなので、いくつかのお店で作品見本を見比べるのもいいと思います。
手書き文字を彫った見本を探すのは大変かと思いますが、それだけ貴重な技術であることを知っていただきたいのです。
参考↓
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