
24mm(八分角)篆書・小篆:見危授命
講習会の課題で彫ったものです。
見危授命とは:
危急存亡の時は命を投げ出す
文字のシルエットが四角のみの組み合わせなら比較的楽なのですが、今回は命の文字が。
他の文字と違う形なので、全体とのバランスをとるのが難しかったです。
同じ大きさにしてしまうと、命だけが小さく見えてしまう。
なので少し大きめに。
しかしどの程度大きくすればいいかが問題で、これがなかなか難しい。
今回のケースでも、ちょっと命が大きかったかなと。
この感覚を得るには、とにかく経験するしかありません。

こちらは、機械のフォントを使用し30秒くらいで作ったものです。
冒頭の印影とくらべて、どちらを長く使いたいですか?
文字それぞれでは問題がなくても、配字することを考慮していないため、バランスが悪い。
命の字が少し違うのは、小篆ではなく印篆の形をアレンジしているからです。
どちらも篆書には違いないので、誤字ではないですが……。
小篆と印篆の違いも分からない店では、まともなハンコは作れません。
全体を見渡し、文字を加工して調和を取ることもできない。
それをしようとすら思わない。
そんな嘆かわしいハンコ屋がほとんどだという現実。
許可された職人が作ったハンコしか販売できない制度になればいいのにと強く思います。
いつまで業界はこの惨状を放置しておくのか。